○川崎町犯罪被害者等支援条例
令和3年3月12日
条例第7号
(目的)
第1条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)に基づき、本町における犯罪被害者等の支援に関し、基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等が受けた被害の軽減又は回復を図り、もって安全で安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(1) 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
(2) 犯罪被害者等 犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族をいう。
(3) 二次的被害 犯罪被害者等が、犯罪等による直接的な被害を受けた後に、犯罪被害者等に接する行政若しくは司法機関の職員その他の関係者又は報道等により当該犯罪等を知る者の偏見、無理解等による心ない言葉や行動、インターネットを通じて行われる誹謗中傷、報道機関による過剰な取材等により受ける精神的な苦痛、身体の不調、名誉の毀損、私生活の平穏の侵害、経済的な損失等の被害をいう。
(4) 関係機関等 国、地方公共団体、警察その他の関係機関及び犯罪被害者等の支援を行う民間の団体をいう。
(5) 町民等 町内に住所を有する者、又は町内に通勤し、若しくは通学している者及び町内で活動している事業者をいう。
(基本理念)
第3条 犯罪被害者等の支援は、全て犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を受ける権利が尊重されることを旨として推進されなければならない。
2 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が犯罪等により受けた被害又は二次的被害の状況及び原因並びに犯罪被害者等が置かれている生活環境その他の状況に応じて適切に講ぜられなければならない。
3 犯罪被害者等の支援は、犯罪被害者等が再び平穏な生活を取り戻すために必要な支援を途切れることなく受けることができるよう講ぜられなければならない。
4 犯罪被害者の支援は、二次的被害を生じさせることがないよう行われるとともに、犯罪被害者等に関する個人情報の適正な取扱いの確保に最大限配慮して行われなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、犯罪被害者等の支援に関する施策を総合的に推進するものとする。
2 町は、前項の施策が円滑に実施されるよう、関係機関等と連携し、及び協力するものとする。
(町民等の責務)
第5条 町民等は、基本理念にのっとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等に対する支援の必要性について理解を深め、二次的被害を生じさせないよう十分に配慮して行動するとともに、町及び関係機関等が実施する犯罪被害者等の支援に関する必要な施策に協力するよう努めなければならない。
(相談及び情報の提供等)
第6条 町は、犯罪被害者等が早期に日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようにするため、犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関等との連絡及び調整を行うものとする。
2 町は、前項の相談及び情報の提供等その他この条例に定める支援を総合的に実施するための窓口を設置するものとする。
(見舞金の支給に係る施策の実施)
第7条 町は、犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担を軽減するため、犯罪被害者等に対する見舞金の支給に係る施策を講ずるものとする。
(日常生活の支援)
第8条 町は、犯罪被害者等が早期に平穏な日常生活を営むことができるようにするため、関係機関等と連携し、犯罪被害者等の心身の状況に応じた適切な福祉サービスの提供その他の必要な支援を行うものとする。
(居住の安定)
第9条 町は、犯罪等の被害を受けたことにより従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、町営住宅への入居における特別の配慮その他の必要な支援を行うものとする。
(広報及び啓発)
第10条 町は、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等に対する支援の必要性について町民の理解を深めるため、広報及び啓発に努めるものとする。
(人材の育成)
第11条 町は、犯罪被害者等の支援を担う人材を育成し、犯罪被害者等の支援の充実を図るため、町の職員に対する研修等必要な施策を講ずるものとする。
(民間の団体に対する支援)
第12条 町は、犯罪被害者等の支援を行う民間の団体に対し、その活動を促進するため情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。
(委任)
第13条 この条例で定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、令和3年4月1日から施行する。